カラコンの製造にはいくつかの工程があり、その方法は工程ごとに数種類存在しています。
そうした工程の違いがカラコンの品質や安全性に大きく関わっていると言えるでしょう。
■カラコンの製造工程は?
カラコンの製造は主に「材料の準備」「着色」「レンズを成形する」「重合」「膨潤」「滅菌」という6つの工程に分けることができます。
このうち、特にメーカーによって違いがあり、品質や安全性に差が出ると言われるのが「着色」と「レンズ成形」の工程における種類の違いです。
■カラコンの着色について
カラコンの着色の工程では、主に以下の3つの方法がメーカーにより選択されています。
・サンドイッチ構造
サンドイッチのように、着色済の色素を2枚のレンズで挟み込む方法です。
色素がレンズによって密封されるため安全性が高く、また厚みがあるので強度も高くなるのが特徴です。
そのため長期間使用されることが多い反面、厚みによって違和感を覚えることもあります。
・プリント構造
成形されているレンズに、色素をプリントする方法です。
色素がレンズの表面にあるため、安全性にはやや不安が残るとされています。
シンプルな作りなので比較的安価という特徴があります。
・ラップイン構造
プリント構造と同じく、成形されたレンズに色素を浸透させることで着色する方法です。
浸透をさせるのでプリント構造に比べると内包性が高くなり、安全性も高めとされています。
サンドイッチ構造に比べて薄く作れるので、サンドイッチ構造ほどの安全性は担保されていないものの、快適性では上回っています。
■カラコンの成形について
カラコンの成形には主に以下の3つの方法があります。
・キャストモールド製法
モールドと呼ばれる鋳型に材料を流し込んで、プレスによって製造する方法です。
比較的安価に薄く作れるのが特徴ですが、そのぶん耐久性に欠けるというデメリットもあり、ワンデータイプなどに多く使われます。
・セミキャストモールド製法
キャストモールドが色素も同時に流し込むのに対し、こちらの方法では着色と一定の成形を行った後に仕上げていくのが特徴です。
キャストモールドよりさらに薄く作ることができる一方で、耐久性もさらに低めになります。
・スピンキャストモールド製法
型を回転させて遠心力で成形する方法です。
薄く滑らかに成形できるのが特徴ですが、構造によっては色素が複雑になるカラコンに向いていない場合もあります。
このようにそれぞれの成形方法、着色方法によってメリット・デメリットがあり、装着感や安全性などにも違いがあります。
また安全面に関しては製造工程だけでなく、「高度管理医療機器承認番号」などの確認や、信頼できるメーカーのものを利用することも大切です。